長年の好敵手と亡き戦友に捧ぐ、会心の一撃

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ARTA NSX GT3

ランキング首位でSUGO入りを果たしたARTAだったが、懸案事項があった。
ここまで全戦入賞を果たしているものの未だに未勝利ということだ。そしてARTAをドライブする高木真一と通算最多勝争いを繰り広げる新田守男(#96 K-tunes RC F GT3)は2勝を挙げ、通算21勝となり一歩先を越された格好になっていた。
そんな中、予選ではウェイトハンディをものともせず2番手を獲得すると、決勝では序盤は高木の堅実な走りで首位に浮上。福住に交代してからは背後にタイトル獲得経験豊富な谷口信輝(#4 グッドスマイル 初音ミク AMG)からの追撃を受けながらも、最終的には15秒近い大差をつけ待望の今季初優勝を果たした。 
これで高木は勝利数を21に伸ばし、このレースで3位に入った新田と再び並ぶこととなった。
福住仁嶺にとってはSuperGT初勝利だ。偶然にもその日は、2年前に福住と共に欧州GP3で切磋琢磨した戦友で、今年F2を戦い、天へと旅立ったアントワーヌ・ユベールの誕生日だった。ARTAの車には「RACING FOR ANTHOINE」のステッカーが、高木・福住の二人の名前と共に貼られていた。

なにより、ランキング首位で優勝したことにより、最終戦を前に大幅なリードを持てたことは、追いすがる他チームにとって会心の一撃となっただろう。
ライバルと亡き戦友へ捧げる、チャンピオンへ向けた会心の初勝利だった。