【F1】日本人参戦開始以降の歴代優勝者の初優勝時の所属チームをまとめてみた

今回はRacing onが「F1サムライ列伝」と称し、日本人F1ドライバーが最も優勝に近づいた瞬間と挑戦の歴史をまとめた内容ということで


その中で「なぜ日本人はF1で勝てないのか」という疑問を紐解く一つの手段として


「日本人参戦開始以降の歴代優勝者の初優勝時の所属チームが何処だったのか」


をまとめてみた。

◆1位は90年代に栄華を誇ったあのチーム



さっそく、日本人フル参戦開始以降(1987~)の初優勝者のリストを見てもらおう。


複数名の初優勝者を生んだチームについては色をチームカラーにしているが
わかりやすく、初優勝者人数とチームだけのリストにすると以下のようになる。

 

1987年~2022年までで初優勝を挙げたのは計36人。そのうちの8人が初優勝時に所属していたのがウィリアムズだ。


後のチャンピオンドライバーであるヒルヴィルヌーヴをはじめ、タイトル争いの常連に名を連ねるようなドライバーが多数このチームで初勝利を挙げた。


ドライバーの傾向として半数がF1デビューチームがウィリアムズであることが言える。


フェラーリと並ぶ意外な初優勝者の量産チーム「ルノー


2位につけるのがフェラーリのとルノーの6名である。


まずフェラーリについてだが、87年以降の初優勝はジャン・アレジ


以後すこし間を挟んでアーバインバリチェロなど、比較的中堅チームで好走を見せたドライバーがフェラーリに移籍して初優勝するというパターンが多いようだ。


例外は初の育成からフェラーリ育ちのルクレールだろう。


ルノーについては、正確にはベネトンや現アルピーヌといった実質同チームといった系譜もすべて合算させてもらっている。


しかしながら、このチームも侮れない。近年はアルピーヌでオコンが初勝利を収めるまで空白期間があったものの


90年代前半はミハエル・シューマッハを含む3人、2000年代前半はアロンソトゥルーリと定期的に複数人の初優勝者を輩出している。


◆現代2強は初優勝者が少な目?


3位にはマクラーレンで4名。秘蔵っ子と呼ばれたハミルトンの初優勝チームではあるが、

それ以上に3名のフライングフィンがマクラーレンで初優勝を達成しているのは面白い。


4位にレッドブルで3名、5位にメルセデスAMGとアルファタウリ(トロロッソ時代含む)となっており、ここ10年でタイトルを獲得した2チームは初優勝者はそれほど多くないようだ。


最後に1名でリジェ、ジョーダン、ホンダ、BMWザウバー、レーシングポイントと今現在は存在しないチーム名が並ぶ。

 


◆日本人が勝てない理由の一つは「優勝出来るチームに日本人が行けないから」


ここまで見て、これらのチームに日本人が所属していたことがあったかどうか振返ってみたい。


するとウィリアムズ:1名(中嶋一貴)、アルファタウリ:1名(角田裕毅)、ジョーダン:1名(佐藤琢磨)、リジェ:1名(鈴木亜久里)の4名しかおらず、


その多くが1名しか初優勝者を輩出していないチームであり、最多のウィリアムズに所属した中嶋一貴については、後にメルセデスで優勝するロズベルグも勝つことのできなかった時期に乗っていることから、優勝するほどの戦闘力が無かったといえる。


「優勝出来るチームに日本人が行けないから」という言葉は2010年の雑誌インタビューでの鈴木亜久里の言葉だ。


日本人初優勝が実現するには、上記にあげたようなチームに安定して所属できるようになる必要があるのかもしれない。

 

◆実は日本人と何度も接点を持っていたルノー。そして今後の可能性


さて、そんな「優勝出来るチーム」へ所属するチャンスが日本人にあったかどうかというと、実は6人の初優勝者を輩出したルノーと実は何度も接点を持っていた。


鈴木亜久里片山右京はオファーを受けていたし、佐藤琢磨小林可夢偉は契約交渉をしていたと公にしている。


他にも何人かの日本人がオファーやテスト走行、リザーブドライバー契約を結んでおり初優勝者を輩出した他のチームに対して群を抜いている。


詳細については以前にも「日本人とベネトン」としてまとめているので、合わせて読んで頂ければ。

ksk-kagami.hatenablog.com


そんなチャンスを活かすことのできなかったこれまでだが、角田裕毅にこれからを期待してしまう。


2023年もアルファタウリに所属することが決定しているが、その後によって可能性が変わってくるだろう。


理想はレッドブルに昇格するか、フェラーリなど優勝出来る有力チームに認められて移籍する。これが出来れば日本人初優勝は大きく現実的なものになるだろう。