【F1】2021年F1ドライバーがF1に辿り着くまで

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2018年当時、FIA-F4を戦っていた角田裕毅。翌年RedBull育成入りし、渡欧する。

 

 

F1ドライバーが4輪デビューからF1に辿り着くまで 

 あけましておめでとうございます。

 

 さて、2021年。ついにF1に日本人ドライバーが帰ってきますね。角田裕毅がアルファタウリよりデビューします。

 

 彼が4輪でレースデビューをしたのが2016年の夏。日本国内のスーパーFJでした。

 

 それからわずか5年でF1の舞台に立つとは、当時は誰も思わなかったでしょう。

 

 わずか5年、というのもこれまでF1にフル参戦をした日本人では1.2を争う速い部類で、今年参戦するF1ドライバーの中でも平均的なデビューまでの期間に該当するのです。

 

 ということで、今回は2021年のF1ドライバー及びこれまでのフル参戦経験のある日本人F1ドライバーと角田裕毅のF1参戦に至るまでの道のり(4輪デビュー以降)をザックリ見ていきましょう。

 

  1. 2021年参戦ドライバーのF1までの道のり

 

まずは今年F1に参戦するドライバーの4輪デビューからF1到達までの道のりを見てみましょう。

若干順番がわかりづらいですが、右上段から左に向けて2020年コンストラクター順となっています。

 

4輪→F1までの最短と最長

 

角田裕毅は4輪デビューから5年の経験を経てF1に到達しましたが、最短・最長のドライバーはどれほどかかっているのでしょうか。

 

最短は、レッドブルマックス・フェルスタッペンで2014年にヨーロピアンF3にデビューした翌年にトロロッソからF1デビューという、下位カテゴリーをわずか1年のみでF1に到達というものです。

 

これまでは01年にデビューしたキミ・ライコネンフェルナンド・アロンソの2年というのが最短だったのですが、その記録を大きく超えていきました。

 

最長は2020年にF1デビューを果たしたニコラス・ラティフィです。期間は8年。

 

2012年にイタリアF3で4輪デビューをすると13年にはF3ヨーロピアン選手権へ。2016年にF1直下のGP2(後のFIA-F2)へ参戦を開始、2019年までの4年間を過ごしようやくF1レギュラーの座を掴みとりました。

 

2021年の平均値

 

2021年のF1ドライバーの下位カテゴリーの経験年数の平均は約5年。角田裕毅はちょうどこれに該当します。

 

そのほかに5年かけてF1に到達したドライバーはタイトル経験者であるベッテルや、2020年のマクラーレンコンビであるノリスとサインツ、ウィリアムズのラッセルが該当します。

 

また、スポット参戦というタイミングになりますがジョビナッツィも5年経験後に1度目のデビューを果たしています。

 

  1. 歴代フル参戦日本人F1ドライバーのF1までの道のり

 

さて日本人F1ドライバーの場合はどうでしょうか。

 

今回はフル参戦経験のあるドライバーのみでデータを作成してみました。

日本人の最短記録

 

これまでの4輪デビューからF1までの最短は、02年F1デビューの佐藤琢磨の4年で、98年に渡英しフォーミュラ・ボクスホール参戦後、イギリスF3を3年戦いジョーダンからF1デビューを果たしています。

 

次点で中嶋一貴の5年となります。03年にフォーミュラ・トヨタに参戦すると04年から2年間全日本F3に。06年に渡欧しF3ユーロシリーズ、07年には当時トヨタからエンジン供給を受けていたウィリアムズのテストドライバーに就任し、並行してGP2に参戦をし、その年の最終戦からF1デビューを果たします。

 

角田裕毅も5年なので中嶋一貴同様、日本人の中では最短の部類に入ります。16年にスーパーFJで4輪デビューをすると翌年はJAF-F4参戦とFIA-F4にフル参戦。18年にFIA-F4を制すと渡欧、レッドブル育成入りも決まったうえでFIA-F3、FIA-F2をとんとん拍子でステップアップし2021年にF1デビューとなります。

 

過去のドライバーと角田裕毅との違い

 

実を言うと角田裕毅については他の日本人ドライバーと少し違いがあり、それは「F1直前のカテゴリーを複数年走らずステップアップしている」という点です。

 

時代が違うので単純比較は出来ませんが、日本人フル参戦ドライバーのパイオニアである中嶋悟は全日本F2に9年間も在籍しています。

 

といっても成績不振でステップアップが出来なかったというより、当時のF1へのコネクションが少なく時期を逸していたという方が正しいのかもしれません。

 

参戦初年度からランキング3位、81年から86年までの間には5度のタイトルにも輝いています。

 

また、鈴木亜久里片山右京もF3かF3000で4年を費やし、以降のドライバーもF3かF3000(またはGP2)で2年を以上かけていることが多いです。

 

さいごに

 

というわけで、これまでのF1までの経緯を見ると日本人の中でも優秀な道のりで、今年参戦するドライバーの中でも平均的な歩みで到達していることがわかりました。

 

もちろんこれまでの道のりによって活躍が決まるほどF1は簡単な世界ではありませんが、間違いなく今年戦う他のF1ドライバーと肩を並べられる実績を積んできた角田裕毅に活躍を期待したいですね。